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インタビューインタビュー

すべての人が高齢になって最期の時を迎えるまで、一日一日を自分らしく生きてほしい。だからここ、特別養護老人ホーム『はちす苑』では、なるべくご利用者さんにのびのびと生活を送ってもらえるような仕組みづくりをこころがけています。たとえば、出入り口は夜間以外ほとんどの場所に鍵をかけていないんです。いつでも外へ出られる分、リスクは高まりますが、それでもご利用者さんを施設内に閉じ込めるようなことはしたくありませんから。ほかにも、はちす苑で過ごす時間をたのしんでもらえるように、エントランスには喫茶スペースをつくり、美味しいコーヒーをご提供。職員がマスターとなって、ご利用者さん同士の憩いの場を演出しています。

こんな風にご本人のことをいちばんに考えていくうちに、ご家族からは「最期の日は病院よりも、本人が大好きな『はちす苑』で迎えさせてあげたい」とまで言っていただけるようになりました。けれどその頃の愛光は、まだターミナルケアをやったことがなかった。私たちはなんとか想いを叶えようと、終末期のケアに詳しい先生をお招きし、新たに勉強していきました。それから10年近くターミナルケアをつづけてきて、本当にいろいろな最期を見つめてきました。みなさん、大切な人のお墓参りだったり、大好きな自宅のお庭を見たり、お風呂に入ったり。やっぱり、人生の最期にやり残したことをやっておきたいんです。自らが自分らしい最期を選び、家族に囲まれてその時を迎える。それは清々しいものなんだなぁと気付かされました。その過程を見ていくことで、職員みんなが死というものをポジティブに捉えられるようになった気がします。人の命を預かるわけですから、簡単な話ではありません。けれど、たった一度の人生の、いちばん最期の時。ご本人とご家族にとって、「哀しいものではなく、明るいものであってほしい」と思うだけなんです。

INTERVIEW
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