昔は人とコミュニケーションをとるのが苦手で、新人の頃は「この仕事に向いてないな…」と何度思ったか。そんな私を変えるきっかけになったのは、入職3年目のある出来事。当時、『ルミエール』で担当していたご利用者さんは、障害が原因で施設の暮らしになじめずにいました。けれど当時の私には、どうしてあげることもできなかった。いろいろと試行錯誤したものの、改善できないままに、そのご利用者さんは他の施設に移ってしまいました。「なんて無力なんだ…」。私はこのままじゃダメだと思ったんです。
そんな時に影響を与えてくれたのが、愛光の熱い先輩たち。「もっとこうしたら良くなるんじゃないか?」と、毎日のように仕事について語り合っていました。先輩たちは私を本気でしかってくれるし、逆にやりたいことは全力で応援してくれる。はじめこそ、その熱量についていくのは大変でしたが、徐々にみなさんに引っ張られるように、自分がやってみたいと思うことを発言できるようになっていきました。それからというもの、障害者施設のほか、本部の経営企画室、特別養護老人ホーム、地域包括支援センターなど、本当にいろいろな経験をさせてもらっています。
そして2015年には、開設したばかりの総合相談センターの所長に。『総合相談センター』は、地域包括支援センターと障害者相談支援を統合してできたもので、両方の支援を必要としている世帯やケースでは、ひとつの窓口でまとめてご相談いただける、全国的に見ても新しい取り組みでした。ここでは障害者担当と高齢者担当の職員が一緒にお話を伺って、連携して解決します。けれど開設当初、もともとは別の窓口だったこともあり、どう対応すべきか戸惑いがありました。ひとつになった窓口を、どうしたらうまく機能させられるのか・・・。まずは、職員にお互いの会議の場に参加したり、一緒に訪問してもらうことにしたんです。すると、自然に情報を共有したり、意見を交換したりと、ひとつのチームとして協力していくようになりました。
愛光の職員として、先輩方から引き継いだ想いを大切にし、次の世代につなぐことを考える世代になってきました。いまは総合相談センターから離れ、精神障害者の通所施設で所長をやらせていただいています。職員や通所している方々がここで働くことに楽しさや生きがいを感じられるようにしたいですね。これからご入職されるみなさんの想いもぜひ、聞かせてください。